面接試験対策塾へようこそ
- 「警察の面接試験は、どんなことが聞かれるかとても不安」
- 「何度受験しても面接で不合格になる・・・何が足りないんだろう?」
- 「学校の模擬面接は受けてるけど、警察の本番では歯が立たない…」
- 「警察の面接は他の試験とは、何か違う気がする…」
- 「もうわけわかんない。何からやったらいいのかもわからない」
- 「誰かに助けてほしいよ…」
あなたは、面接試験対策でこのようなことで悩んでいませんか。もしかすると、本当に困り果てて、本当にどうしたら良いかと強い焦りと不安を感じて、ようやくこのサイトにたどり着かれたのかもしれません。
警察の面接試験、難しいです。
学校で模擬面接は受けてるけど、本番で歯が立たないです。
警察の面接は、他の試験とは違う気がします…
全然手ごたえを感じないんです…
警察の仕事を理解できてないからでしょうか…⁉
どこから手を付けたらいいか…
わけわかんないです。正直助けてほしいです…!
実は、警察を受験しているほとんどの人がこのような悩みや不安を抱えています。警察のことについて教えてくれる人がほとんどいないからです。
私は、7年間警察本部の人事課に籍を置き、また長年にわたり警察内部で受験生の受験指導に当たってきました。警察を退職した現在も、某大手公務員予備校と某国立大学就職支援課に籍を置き、警察試験専門のフリーの指導員として受験指導を行っています。
この記事では、面接試験を受験されるあなたに、まずこれだけは知っていてほしいと思う情報を厳選して掲載しています。
この記事を読むと、難しいと感じてきた警察の面接試験に対する「恐れ」がなくなります。また、あなたの面接試験に対する努力を最少化する「面接試験勉強の最短ルート」が分かります。読み終わるころには、他の受験生より一歩大きくリードできているでしょう。
難しいと感じていた警察の面接試験が分かるようになります
試験への不安は、この記事で解消しよう!
一緒に「合格」を勝ち取っていきましょう
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①面接試験で「なにが質問されるか不安」悩んでいませんか?
『何が出るか問題』はここでもう終わりにしてください。警察の面接は、この「300問」ですべてです。他に必要ありません。試験に精通した元警察人事が、全300問を伝授します
②一番大切な面接試験で…いま、あなたがやるべきことは何ですか?
答えは「警察研究」と「面接の回答準備」です。
でも「なにから手をつければいいか分からない…」悩んでいませんか?
面接の合否は、結局は「この警察フレーズを言えるか言えないか」です。
日本初の本格的警察面接対策「全模範回答集」をぜひご覧ください。これで警察に絶対に合格できる!渾身の1本です。
【基礎知識1】面接に合格しないと試験の合格はない
受験する都道府県警の配点を知ろう
あなたは、ご自身が受験する都道府県警の試験の配点をご存じですか?意外と知らない方も多いのではないかと思います。また、試験に占める面接試験の配点もご存じでしょうか。面接試験の配点は、あなたの採用を左右するほどに大きいとまず認識してほしいです。
いくつかの県警の試験科目配点を見てみましょう。
静岡県警の配点
〇一次試験
- 教養試験 100点
〇二次試験
- 小論文 50点
- 体力試験 150点
- 面接試験 600点
〇面接試験の占める割合
- 66.7% (600点/900点)
②和歌山県警の配点
〇一次試験
- 教養試験 500点
〇二次試験
- 面接試験 600点
- 体力試験 200点
- 論文試験 200点
〇三次試験
- 面接試験 1200点
〇面接試験の占める割合
- 66.7% (1800点/2700点)
警視庁の配点
〇一次試験
- 教養試験
- 論文試験
- 国語試験
〇二次試験
- 面接試験
- 体力試験
〇面接試験の占める割合
配点の発表なし
もし、あなたが受験する都道府県警の配点を知らないなら、今すぐに調べましょう。例えば「○○県警 配点」とググれば、受験する県警のHPからすぐに知ることができます。行き当たりばったりで無駄な努力を重ねてしまいます。貴重なあなたの時間と労力を最大化するために、いますぐ調べましょう。
ただ、警視庁のように配点を公表していない都道府県警もあります。その場合は、類推するしかありませんが、静岡県警や和歌山県警のように、配点は50~70%になる、とご記憶いただければ間違いはないです。
受験する都道府県警の配点を必ず調べておこう。
重要なものに時間と労力を集中させよう。
面接試験の合格がなければ試験の合格はない
私は、警察本部の人事課に7年在籍しました。その私が、採用試験をつぶさに見てきて得た結論が「面接試験で不合格なったら、たとえほかの科目すべてで満点であっても試験は不合格」ということです。
いま私は「受験する都道府県警の配点を調べてください」とお話ししたばかりです。前言をひるがえすようで恐縮ですが「警察の試験は面接試験でほとんど決まる」というのが現実です。
皆さんには、受験する都道府県警の配点を知ったうえで「面接でダメだったら試験は落ちる」と、面接試験の重要性をよく理解して欲しいと思います。
配点を知ったうえで面接試験の重要性を認識しよう。
面接に合格しないと試験に合格できない!
静岡本部です。
どうぞ。
熱海水害の対応ご苦労様でした。
【基礎知識2】仕事の理解は「必須科目」
「警察の仕事の理解」は面接試験の必須科目
これは、どの職業の採用試験でも同じですが、面接試験に合格するためには「企業研究」が必要です。警察の試験も同じです。合格のためには、警察の仕事の理解が必須科目です。難しいからと言って、避けては通れません。
警察の仕事の理解が必須科目になる理由は、大きく分けて次の2つです。
- 警察面接で「最も重要な質問」だから
- 受験生の理解度と努力度を知る「バロメータ」になるから
順番に解説していきます。
警察面接で「最も重要な質問」だから
このようなことを考えたことはありませんか?
結局、面接試験では「何」を言えばいいの?
面接官は私の「何」を採点しているの?
ここは、皆さんの関心が極めて高いところですよね。それに対する答えを端的に言いましょう。それは、
- 基本的なことが普通にできる人
- 受験生を部下や仲間としてみて「あり」と思った人
が面接試験で合格します。
基本的なことができる人を採用にしている。
警察を受験しにきて警察のことを知らないなんて論外。
部下として仲間として「あり」と思った人を採用にしてるよ。
部下や仲間として「ないな」と思ったら不採用!
警察の受験にきて警察の仕事もロクに理解していない受験生は、面接官からすると「基本的なことができない人」であり、部下として「ない」人と評価される人です。面接官は、そういった視点であなたの人となりを見極め、採点の対象にしています。
警察の仕事を理解しているかどうかの確認質問は、警察の面接試験では必ず聞かれます。しかも、最も重要な質問の1つです。必ず準備する必要があると覚えておきましょう。
受験生の理解度と努力度を知る「バロメータ」になるから
一般企業や他の公務員を受験する場合、あなたなら、受験する企業や役所の仕事について知るためにどのよう工夫しますか?
もっともポピュラーな勉強方法は、「企業研究」と「OB訪問」ではないでしょうか。これらを通して、職場が抱える課題や解決策などについて尋ねて研究し、面接試験でアウトプットする手法です。
ところが、警察では、この「企業研究」や「OB訪問」ができません。民間はもとより、一般公務員よりさらに高い守秘義務倫理の風土があって、先輩自身が上司から「部外者と安易に接触しないこと」「仕事のことを口外しないこと」と命令されていて、話せないのです。
警察官の先輩をOG訪問しましたが、教えてくれませんでした…
警察の仕事のこと、誰に聞いたらいいか分からないです。
警察の受験生と、他の企業・公務員受験生とで、事情が最も異なるところです。ですが、警察の受験生は全員同じ状況にあります。
全員同じのそういった状況の中で、それでも「どれだけ警察の仕事について勉強したか」が面接試験で問われるのです。
OB訪問しても教えてくれないのに…
それを面接試験で聞かれるなんて…ヒドイです。
だからこそ聞くのです。
その状況の中であなたがどれだけ勉強したか。
その努力度を知るバロメーターにします。
考えてみればアンフェアで理不尽な話です。でも、現状はこうなのですから仕方ありません。あなたは、こういった厳しい状況にあっても、仕事の理解を深めていくしかないのです。
だからこそ、警察の仕事がしっかり理解できればライバルに大きな差をつけることができるのです。
では、実際の面接試験において、警察の仕事の理解がどのように尋ねられるのか、また、それに対してどのように回答すればよいのか、については、皆さんの関心は高いことでしょう。しかし今回は、そこまで書くと大変長い記事になってしまいますので割愛します。また別記事で具体的にご紹介しますので、今後のアップをお待ちください。
「警察の仕事の理解」に努力を集中しよう!
ライバルに巨大な差がつく!
【基礎知識3】面接質問の「4類型」
警察の面接試験の質問群を大きく分けると次の4つに類型分けができます。
- 警察の職業理解と志望動機を問う質問
- 身上を問う質問
- 人柄を聞く質問
- その他の質問群
それぞれについて簡単に解説します。
警察の職業理解と志望動機等を問う質問
- 「なぜ警察官になりたいのですか」
- 「大学や高校で学んだことを警察の仕事でどのように活かしていけると思うか」
- 「安全と安心はどう違いますか」
- 「交通警察(例)はどのような仕事だと思うか」「交通警察(例)の重要な課題は何か」
- 「面接試験に向けてどのような対策をしてきましたか」
などの質問群です。【ステップ2】で解説した、仕事の理解や志望動機について問われる質問です。
身上を問う質問(「しんじょう」と読みます)
次は、身の上を聞く質問群です。警察では「しんじょう」と読みます。
- 「家族構成を教えてください」
- 「普段どんな生活をしていますか」
- 「ストレスはありますか。どう解消していますか」
- 「友人はいますか」「どんな友人ですか」
- 「趣味はなんですか」
などの質問群です。
この質問群の最大の着眼点は「不適格者の排除」です。「不適格者の排除」…なんだか物騒な言い方だなと思われるかもしれませんね。簡単に言うと「悪いことをしそうな『きざし』がある人は、採用試験の現場で排除する」「警察官になってから悪いことするとかNG」という、組織防衛的な質問です。
実際、法の番人で市民の模範とならなければらない警察官や警察職員が犯罪を犯すと、新聞やニュースで大きく報道されます。組織として大きなダメージを負うことになってしまいます。そういった観点で聞かれています。もっと言うと、不適格者を面接で排除できたら「面接官の手柄」にもなります。
③人柄を聞く質問群
- 「警察学校では集団生活になりますが大丈夫ですか」
- 「警察官に必要なものは何だと思いますか」
- 「今までで一番苦労・挫折したことは何ですか」「挫折をどのように克服しましたか」
- 「部活動やボランティア経験はありますか}
- 「あなたの長所と短所は」
などの質問群です。【ステップ2】で、部下として仲間として「あり」か「ない」かが、面接試験の重要な判定基準を話しました。この「あり」「なし」を、こういった質問群で確認します。
警察署には、毎日様々な市民がひっきりなしに来訪します。そういった様々な背景を持った市民に、常に冷静で、かつ公平中立に対応できそうな受験生が欲しいです。そういったことができるかといった観点で質問がされます。
④その他の質問群
ここでは、上記の①(職業理解や志望動機を問う質問)にも②(身上を問う質問)にも③(人柄を聞く質問群)にも属しない、それ以外の質問群を指します。
- 「今朝の新聞で気になった記事2つを挙げて。理由も教えて」
- 「論文試験は何を書きましたか」
- 「併願状況はどうですか」
- 「予備校に通っていますか」
- アイスブレイク質問もこれに含めます。
なお、「アイスブレイク」質問とは、面接室に入って最初に面接官がする声掛けのことを言います。例えば「昨日はよく眠れましたか」「緊張していますか」など、受験生の緊張をほぐそうとして掛ける声掛けです。緊張=アイス(氷)に見立てて、アイスがブレイク(ほぐれる)と表現しています。
以上4つの質問群をご紹介しました。それぞれの質問群には、もっと深く、もっとえげつない意味が込められています。たた、ここではその詳細は割愛します。詳細についてはまた別記事で解説します。
ここでは、面接試験ではこういった4種類の質問がされる、ということを頭に入れておいてください。
面接試験の質問について「質問集」を集めても遠回り!
面接官がなぜこの質問をするのか?
「面接官の視点」「質問する面接官の背景」を知ることが一番の近道
【基礎知識4】面接不合格者の「3つの特徴」
警察の面接試験では、何度受験しても合格できない人がいます。私は、7年間警察本文の人事課で勤務してきました。7年間の経験で、面接官が「こういう人は絶対に不合格」という話を何度も聞いてきました。
こういう人は、何度受けても合格できない
このパートでは、7年間の人事課経験から、不合格者に共通する3つの特徴をまとめます。
受験生と面接官の認識の違い
あなたは、面接試験について、次のように考えたことはありませんか。
熱意だけは誰にも負けない!
熱意が伝われば合格できるはず!
これだけ努力したんだから
面接官はきっとわかってくれるはず
あるがままの自分を受け入れてもらえなかったら意味ない
自分のいいところをわかってくれるはず
これらの「わかってくれるはず」「伝わるはず」「理解してくれるはず」…は、受験生によくみられる思い違いの1つです。
これらはすべて思い違いなんですよ…
そもそも、面接官は、分かってくれるか否か、理解してくれるか否か、を見ているのではありません。面接官は、あなたが「既定の範囲内」にある人がどうかを審査しているだけです。
たとえで言うと、あなたが段ボールで宅配便を出すとします。その時、あなたがその箱の中に納まる人かどうか、というのを見ているのです。
つまり、ちゃんと組織の一員として箱内に収まる人かどうか、ということです。
あなたが「組織の一員」として収まるかどうか
面接官はここだけを見ています
面接試験不合格者の「3つの特徴」とは
面接官が絶対に採用できない不合格者の3つの特徴はつぎのとおりです。
- 警察に入ってから悪いこと(不祥事)をしそうな人
- ふつうでない人
- 警察学校に順応できずすぐに辞めそうな人
上から順に重要度が高いと思ってください。1つずつ、詳しく解説します。
【第1位】警察に入ってから悪いこと(不祥事)をしそうな人
面接官が絶対に採用できないぶっちぎりの第1位は「警察に入ってから悪いことをしそうな人」です。
警察官や警察職員が犯罪を犯して、本部長や警察署長などが頭を下げているのを、テレビなどで見たことがあるでしょう。あれは極めつけの「恥」で、警察組織としてはあってはならないことです。
しかも、採用したての新人が犯罪や不祥事を起こすことは、面接官やその年の本部長としては絶対にあってはならないことです。
また、新人警察官の不祥事は、採用した本部長のキャリアに傷をつけるだけではありません。
- 現場の士気を著しく削ぎ、職場に暗い雰囲気をもたらす
- 市民の信頼を著しく損ない、市民からの協力を受けられない
- 市民の協力を得られないことで、警察力が低下し治安が悪化
特に、3つ目の「治安が悪化してしまう」が深刻です。警察の不祥事が、まわりまわって市民にツケが回ります。市民には何の罪もないのに、新人警察官の不祥事のために、本来起こらなかった犯罪被害者や事故の被害者を新たに発生させてしまうのです。
まとめると、新人警察官が不祥事を起こすと、
- 警察・警察本部長がメンツを失う
- 治安悪化のおそれ
につながる可能性があります。これを防がなければならない面接官にはかなりプレッシャーがかかっています。犯罪や不祥事を起こしそうな人だけは絶対に採用できないです。
前の章で【面接試験での質問「4類型」】というのをご紹介しました。そのうちの「身上を問う質問」で、あなたに犯罪を起こしそうな「兆し」はないか、あなたに不祥事を起こしそうな「芽」はないか、を見ているのです。
具体的な質問と回答例をご紹介します。
①家族構成を教えてください
→【面接官の目】家族に問題になる人はいないか
⇒【模範回答例】「…家族は『人の役に立つ素晴らしい仕事』だと応援してくれています」
②休みの日は何をしていますか
→【面接官の目】リラックスしたときに受験生の「本性」が出る
⇒【模範回答例】「友人とスポーツジムに通ったり、読書など自分を高める時間に使っています」
③ストレスは何ですか。ストレスがたまったらどうしますか
→【面接官の目】追い込まれた時に受験生の本性が出る
⇒【模範回答例】「スポーツをして思い切り体を動かします」「静座瞑想します」
④つらいことがあった時、これだけはしたくないと思うことは
→【面接官の目】挫折体験をどのように乗り越えてきたのだろうか
⇒【模範回答例】「人や家族に当たることは絶対にしない」「うまくいかなかった原因を分析して次の改善につなげます」
⑤友達はいますか。どんな友人ですか
→【面接官の目】交友関係は、清廉さが求められる警察官や警察職員には重要
⇒【模範回答例】「友人は多いですし、親友もいます」「親友とはお互いに高め合う仲です」
⑥趣味は何ですか
→【面接官の目】趣味には不祥事の「兆し」「芽」が垣間見られる
⇒【模範回答例】「サッカーです。友人と一緒に汗を流すのが好きです」「釣りです。釣りを通じて様々な出会いや知見に触れるのが楽しいです」
など
「不祥事を起こさないか」をこういった質問で審査します
警察本部長からプレッシャーかかっているだよね…
(第2位)ふつうでない人
第1位では、「犯罪・不祥事を起こしそうな人」は面接で合格しない、とお話ししました。しかし、実際には、警察を受けようとする受験生でそこに該当する人は多くないです。いれば一発アウトですが…。
面接官が絶対に採用できない人材第2位は「ふつうでない人」です。
ぼくは、いたってフツーだと思うけど…
面接試験の「ふつう」は違うの?
受験浪人してるけど…ぼくの「ふつう」大丈夫かな?
あたらめて「ふつう」って言われると…
自信なくなってくるかも
あらためて「ふつう」かと問われると、自信がなくなる人もいるかもしれませんね。もしかすると、自分が思っている「ふつう」と警察採用側が求める「ふつう」が一致しているか不安になったりします。
警察署には毎日たくさんの人が来訪します。善良な人もくれば犯罪を犯した人も来ます。落ち着いた人もいれば興奮している人もいる。警察に好意を持っている人も悪意を持っている人も来る。とにかくありとあらゆる背景を持った人が、毎日たくさん来訪します。
面接官はあなたに、どんな人が警察署に来訪しても公平中立に冷静に対処できる人であってほしいと思っています。そこが第2位の着目点になります。
では、窓口で公平中立で冷静に対応する、とは具体的にはどういったイメージでしょうか。
- 礼儀正しく挨拶ができる
- 人の話を正確に聞き取ることができる
- 問われたことに的確に返答できる
- 人の話を丁寧に聞く態度や姿勢をわきまえている
- わからないことを「知ったかぶり」しない
- わからないことはすぐに上司や同僚に相談できる
- 言い訳を言って言い逃れをしない
- 自分の非は率直に反省して詫びる誠実さがある
- 自己主張しないと気が済まない人、という人ではない
- どのような来訪者が来ても大丈夫なように普段から勉強や研鑽を怠らない
- 相手が理不尽な要求をしてきたとき断れる強さがある
要は、どんな人が来訪してきても、その人に合わせたり、コミュニケーションをはかることができるような人です。つまり、ふつうの人なのです。
「ふつう」に人とコミュニケーションができる人を合格にする
逆に言うと、
- 元気に挨拶できない
- 偏った考えを持って来訪者に接する
- 自分の嫌いな人や弱者にはテキトーに接する
- すぐに言い訳する
- 興奮した相手から侮辱的なことを言われたら逆ギレする
- 理不尽な要求を受けたら、怖くなってその場しのぎの口約束をする
↑こんな人は絶対に採用しない!
前の章でご紹介した【面接試験での質問「4類型」】の「人柄を問う質問」です。面接官は、あなたの「ふつう力」を見ています。
こちらも、具体的な質問と回答例をご紹介します。
①「警察官に必要なものは何だと思いますか」
→【面接官の目】具体的にどのような警察官像を持っているか。「期待される答え」とかけ離れていていないか
⇒【模範回答例】「市民の命を預かる使命感と優しい心、そして行動力です」
②「部活動やボランティア経験はありますか」
→【面接官の目】他の人と協働をしたことがあるか。そこからどのような経験を得たか
⇒【模範回答例】「中学・高校の6年間、部活動でサッカーをしていました。高校時代は副キャプテンを務めました」
③「仕事で上司や先輩と自分の意見が違ったらどうしますか」
→【面接官の目】市民から「自分を否定」されるようなことを言われたとき無難に対処できるか
⇒【模範回答例】「まず相手の言うことをしっかり聞きます。そのうえで、場合によっては建設的に意見を提案することもあると思います」
④「仕事をするうえで一番大切なことは何だと思うか」
→【面接官の目】自分勝手な思い込みをしていないか。それにこだわる強情さはないか
⇒【模範回答例】「目標を持つこと、仲間と協力すること、全力で最善を尽くすことだと思います」
⑤「人付き合いで気を付けてることは」
→【面接官の目】この人の基本的な対人認知はどうか。他人をどのように見ているか
⇒【模範回答例】「バランス感覚を持つことだと思います。相手の気持ちや考えを汲み取りながら、いかに自分の個性を発揮して、人付き合いをより良いものにしていけるかのバランス感覚だと思います」
⑥「最近のニュースで関心を持った出来事と選んだ理由は」
→【面接官の目】我々警察官と同じ範ちゅうのニュースに関心を持っているか。突拍子もないニュースを選ぶ「歪み」はないか
⇒【模範回答例】「大型台風が上陸して、○○県で大きな被害が出たニュースに関心を持ちました。青と黄色のユニフォームの機動隊の方が救助活動されているのを見て、胸を打ちました」
など
市民応接を1人で任せられる!
これが「ふつう」の基準です
(第3位)警察学校に順応できずすぐに辞めそうな人
面接官が絶対に採用できない受験生 第3位は「警察学校に順応できず、すぐに辞めそうな人」です。
警察官に任官すると、少なくとも、大卒で6か月間・高卒で10か月間、警察学校に入校します。これは、初任科学生の目線で言うと「警察学校に入れられる」ですが、市民目線で言うと、6か月から10か月「タダ飯」を喰わせて、将来の一人前の警察官になるためと「先行投資」している状態です。
1人の警察官を育てるためには、莫大な費用(税金)と時間が必要になります。制服や装備品をあてがい、衣食住を無料(税金)で提供します。1人前の警察官を育てるのに何百万円という予算を必要とします。その挙句「辞めます」では、大切な税金を無駄に捨てることと同じです。
市民はそういった「無駄づかい」を許容できるでしょうか。面接官は、その負託に厳粛に応える必要があります。将来、途中で「辞~めた」と言う学生を採用するなら、面接官にもその責任はまぬがれないということです。
途中で辞める学生を採用することは「税金の無駄づかい」
その厳粛な使命を預かって面接試験をしている
①「警察学校では集団生活になりますが大丈夫ですか」
→【面接官の目】集団生活の経験はあるか。どんなことを学んだか
⇒【模範回答例】「大丈夫です。中学高校と部活動で○○部に所属していました。高校時代は副キャプテンとしてチームの地区大会ベスト4進出に貢献しました」「チームは目標をしっかり持つことでまとまります。チームワークは目標を持つことで育つ、と学びました」
②「警察は階級社会です。やっていけそうですか」
→【面接官の目】上下関係を経験しているか。上下関係の中の「自分の役割」についてどう認識しているか
⇒【模範回答例】「部活動をしていたので大丈夫です。監督やキャプテンの指示はしっかり守りながら、自分も成長してチームの勝利のために貢献できるように、という上下関係やチームワークを学んできました」
③「今までで一番挫折・苦労したことは何ですか」「どのように克服しましたか」
→【面接官の目】警察学校でも警察人生でも挫折や苦しみはある。大丈夫か?
⇒【模範回答例】「高校2年生の時に大きなケガをしたことです」「ケガを前向きに捉えようと気持ちを切り替えました。ケガ中も毎日部活に参加しました。動けなくてもできることがありました。特にチームメートとコミュニケーションを取る機会が増え、ケガのおかげでチームのことをよく理解することができました」
④「部活動(仕事)を続けるコツは何だと思いますか」
→【面接官の目】つまり「警察学校を辞めずに続けるコツ」を何だと思っているか
⇒【模範回答例】「目標をしっかり持つこと。最後まで絶対にやり抜くと強く自分に言い聞かせること。それと、遠い先ではなく、毎日毎日を一生懸命頑張り続けることだと思います」
⑤「友人関係の中であなたはどんな役回りですか」
→【面接官の目】警察学校の同期生と上手に付き合っていけるか確認する
⇒【模範回答例】「私は、調整型のリーダーだと思います。まずは、相手の話をよく聞き、相手の意図を汲み取ります。そのうえで、私を含む全員が妥協できる地点を探します。しかし時には、リーダーとして決断する場面もあると思います。」
⑥「警察学校では体力が必要になります。大丈夫ですか」
→【面接官の目】受験する今の段階で、具体的に警察学校に入校するイメージをすでに持っているか
⇒【模範回答例】「もともと体力には自信がありますが、警察学校に入ってからも大丈夫なように、毎日5キロ・休みの日には10キロランニングをして体を鍛えています」
など
警察学校に入ると環境が大きく変わる
途中で辞めそうな人なら、最初から採用しない
警察学校を途中で辞める理由で多いのは、
- ツライ
- 思っていたのと違う
- 友達ができない
- 集団生活になじめない
- 人間関係をこじらせた
- 自由がない・プライベートがない
- 制約が多い
- 命令されるのに慣れておらず耐えられない
- 本当は警察官になりたくなかった
などです。
これは、面接官も十分承知のうえです。例年の警察学校の辞職率も把握しています。概ね5%~10%の人が、警察学校を続けられず途中で辞職します。(警視庁や大阪府警など、大規模警察では15%前後になることも)
面接官は、それを少しでも防ぎたいです。それが、警察と受験生双方のためだからです。
特に、警察官を受験する人は、警察学校に長期間「缶詰」状態になりますので、ご自身が「本当に警察官になりたいのか」ということを、一度改めて静かに自己点検してみるといいでしょう。
本当に警察官になりたいのか
一度立ち止まって、静かに自己点検してみよう
メリットとデメリットがあるよ
メリット・デメリットについては、「警察の仕事の理解」関連記事で詳しくご紹介します。
【基礎知識5】面接試験対策の「新常識」
面接試験の新常識…「本部長の意向」から『逆算合格法』
警察の面接試験対策。最後は「新常識」と題して、面接試験全体をすこし違う角度で見てみたいと思います。
最後の章では、どう受け答えすればよいのか等といった「受験生目線」ではなく、面接をする「面接官目線」で面接試験対策を考えていきたいと思います。
結論から言うと、
⑤警察本部長の意向(任命権者の採用方針):「こういう受験生を採用せよ!」
↑ ↓
④面接官の採点(合否に直結する判定):「はい。そのような受験生を採用します!」
↑ ↓
③面接官が欲しい回答:欲しい範囲内の回答(警察という『箱』に入れる人が欲しい)
↑ ↓
②面接官がしなければならない質問:「欲しい範囲内の回答」を確認する質問
↑ ↓
①受験生の準備:我流に準備しても合格できない→「『箱』に入る人」だとアピール
と、逆のルートで試験対策を考えます。
面接試験は「本部長の意向」なしに存在しない
面接官が受験生に「答えてほしい回答」は決まっている
警察の面接はそれを答えるだけ!
ここでは、本部長の意向等に関しては省略し、面接官側の裏事情、つまり「面接官もツライよ」ということについて解説します。
あくまで警察組織の一構成員である面接官の裏事情が分かれば、あなたの意識が変わると考えます。そして、意識が変わると、こちらの受け答えはより正しい受け答えに変わっていきます。
面接官側の裏事情「面接官もツライんだよ…」
面接官が合否を判定するのではない
「面接官が合否を判定するのではない」と聞くと、あなたはどのように思われるでしょうか。
面接官が合否を決めるんじゃなかったら誰が決めるの?
面接してない人が合否を決めるの?
誰が決めるの?
採用試験の合否を決定するのは面接官ではありません。あなたの合否を決められる人は、都道府県警ごとにただ一人「警察本部長」だけです。その決定権を「任命権」と言い、その権限のある人を「任命権者」と言います。
ぼくのこと面接してないのに、本部長が全部決めれるの?
面接官、私のことをちゃんと本部長に伝えてくれるの?
もしかすると、このような不安を感じてしまう人がいるかもしれませんね。その不安はもっともです。でも、これが現実です。面接官があなたの面接をして、その結果をまとめて本部長に報告し、報告を受けた本部長が面接官から聞き取りを行って、本部長が良いと思った受験生を合格にします。いえば、本部長と受験生の間にいるメッセンジャー的な役割を担っているだけです。これが警察の採用試験です。
なお、面接官が本部長に報告し、本部長が採用者を決定する会議のことを「採用者決定会議」と呼びます。ここでは詳細は割愛しますが、採用者決定会議について興味のある方は、次の記事をぜひご覧ください。
【試験の裏側】なぜ採用と決まるのか「採用者決定会議」とは ←おススメ記事
あなたの合否は警察本部長が決める
面接官は「面接試験の採点表」など書類を本部長に提示するだけの『メッセンジャー』
面接官のプレッシャーを想像して逆手に取ろう
警察試験の面接官は、実はあなたが想像するより10倍くらいのプレッシャーを受けながら、あなたの面接をします。本部長からは「このような受験生を採用しろ」と厳命を受けていますし、採用者決定会議で半端な報告はできません。あなたが合格するにも「理由」の報告がいり、不合格となるにも「理由」の報告が必要だからです。
私たちにとっては、ここに面接試験突破のヒントが見つかります。あなたは、徹底的に「面接官が求める人材」になりきるのです。
なりきるとは、「演じる」「芝居する」と言ってもいいです。面接官の前で「私は面接官の求める人材です」アピールをしましょう。それが、面接試験の最大のアピールです。
上述の表現を使うと、警察が用意した『箱』に入りきる人材、あるいは、警察と言う『服』にあなたの身体を合わせる、と言ってもいいです。とにかく、警察の求めるものに自分を合わせきることです。これが、面接試験の「新常識」です。
【警察試験対策の「新常識」】
大切なのは「面接官が求める人材になりきる」こと
面接試験対策とは「求める人材になる練習」を繰り返すことです
でも、もしかすると「相手に合わせるって自分じゃないみたい…」「自分を押し込んで無理すること!?」と思われる方がいるかもしれません。
求める人材になるって相手に合わせるってこと?
あるがままの自分じゃない、みたくない…!?
なんだか自分を押し込んで、無理しているみたい…
大丈夫かな
でも、大丈夫です。安心してください!自分をなくせとか、嘘をついて試験を受けろという意味ではないです。
そういう意識を持ってほしい、ということです。この部分は、どの採用試験でも同じことです。「私が!私が!」で受かる試験はありません。
あなたはいま、警察官や警察行政職員になりたいと志を持っておられる。警察は、市民の生命と安全安心を守るという誇りある仕事です。その一方で、市民の生命をお預かりする以上、あなた1人で行動するような独断は許されないです。その意味で、警察には一般公務員以上に細かいルールがあります。あなたには受験の段階でそれを受け入れてほしいです。
今回は、面接官がこんな裏事情を抱えながら面接をしているということを解説しました。そのことが理解できれば、こちらの受け答えの仕方が違ってきますし、有利になると考えたからです。
警察の仕事は、慣れてくると自分の個性を存分に発揮できるやりがいの職業です。それは、長年警察官をやってきた私が保証します。しかも、警察官のお給料は特に高いです。市民の生命を預かる大変な仕事なので高いのです。楽しくて一生続けられる仕事。私はそれが警察の仕事だと思っています。ぜひ、あなたにそのことをお伝えしたかったです。
警察官・警察行政職員になりたい。あなたにその夢を叶えてほしいです。そのために、すこしテクニックを使いましょう。
自分をなくして組織人間になれ、という意味では全然ありませんので、安心してください。警察に入ったら、あなたらしい個性で市民の安全安心に大いにご貢献ください。
警察の仕事は慣れると楽しいよ!
逮捕とか職務質問ができるようになると自信が生まれて楽しいです
細かい規則はあるけど、入ったらすぐに慣れる!
人のためになる誇りある仕事です!
それにお給料も高いよ!
安定の一生の仕事です
私も警察大好き人間です
安心して飛び込んできてください
夢を叶えるため試験勉強頑張ろう!
まとめ
今回の記事では、面接試験対策を始める前に知っておきたい「5つの基礎知識」という内容で解説しました。主な内容は以下の通りです。
- 【基礎知識1】面接試験に合格しなければ採用はない
- 【基礎知識2】「仕事の理解」でライバルに大差をつけるチャンス
- 【基礎知識3】(模範回答あり)面接試験で聞かれる質問「4つのパターン」と18の典型的質問
- 【基礎知識4】当てはまったら大変!合格できない受験生に共通する「3つの特徴」
- 【基礎知識5】面接試験対策の「新常識」
今回は、テクニック的なことはほとんど書きませんでした。皆さんの中には少し物足りなく感じた人もいるかもしれません。
面接試験が試験で最も大切なのはわかったが、いったいどこから勉強を始めればいいのか、という人もいると思います。
どこから勉強始めたら良いですか?
何をどれだけやったらいいのかよく分からないです
やるべき勉強量の全体が見えなくて…手がつかないです
私は、まだまったく勉強が始められていない人には、面接カードの「志望動機」を書くことから始めましょう、と常々お話ししています。警試塾では、これが、最も要領が良くて努力を最大化できる最短ルートと考えています。
また、他の受験生が実際に書いた面接カードの添削とポイントを追体験的に学ぶことで、あなたの試験対策にとってより身近な体験とすることができます。
【面接対策関連記事】
↑興味のある方は、ぜひご一読ください。
勉強まだの人は「志望動機」を書くことから始めよう!
上の3記事では、勉強の始め方と「志望動機」の書き方を詳しく解説しているよ
警察の試験は、勉強の仕方が分かってしまえば、誰でも、最短ルートで楽して(最少の努力で)合格できるのです。それが、私がこの警試塾で一番お伝えしたいことです。
合格通知の良き日はあと少し!必ず来る!と希望を旨に、これからも一緒に学んでいきましょう。
希望をもって頑張りましょう!!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
(完)
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①面接試験で「なにが質問されるか不安」悩んでいませんか?
『何が出るか問題』はここでもう終わりにしてください。警察の面接は、この「300問」ですべてです。他に必要ありません。試験に精通した元警察人事が、全300問を伝授します
②一番大切な面接試験で…いま、あなたがやるべきことは何ですか?
答えは「警察研究」と「面接の回答準備」です。
でも「なにから手をつければいいか分からない…」悩んでいませんか?
面接の合否は、結局は「この警察フレーズを言えるか言えないか」です。
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