ページの最後に「模範解答」掲載
面接カードに必ず項目がある「自己PR」や「長所/短所」
準備できていますか?
実は、警察では自己PR欄をかなり重視しています。
なぜ重視しているかというと、
- 警察学校で辞めずに最後まで頑張ってくれるか
- 警察という職場にしっかり馴染んでくれるか
つまり、警察に適性のある人かどうかを知りたいからです。
警察の適性を調べるためには、他にも適性検査があります。
しかし、適性検査の機械判定には、限界があります。
実際に、面接官が直接「目で見て」「話を聞いて」、判定する必要があるのです。
私は、警察本部人事課で7年間、実際の採用試験を担当してきた元警察人事です。
現在は、某大手公務員予備校で、警察試験専門の専任講師をしています。
自己PRで失敗は許されません。
面接官によっては、自己PR欄を志望動機以上に重視する人もいます。
この記事では、元警察人事が、警察行政職員受験生が書いた「自己PR」欄をもとに、面接カードの正しい書き方について、添削形式で解説します。
この記事を読めば、あなたもきっと良い面接カードが書けるようになるでしょう。
警察人事の指導のエッセンスを学んで盗んで、あなたの合格につなげていってください。
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自己PR欄は
テキトーに書くと「致命傷」
逆に差をつけるチャンス
【最終記事更新日 2023.12.10】
Sさんの自己PR欄添削
(女性 警察行政志望)
(Sさん情報)
文系女子 市役所などと併願
Sさんは公立大学文系学部の4年生で、区役所と市役所、警察行政職員を併願していました。
大学のキャリア支援課から、私に指導してもらいたいと依頼を受け、紹介されてこられました。
最終的には4か所すべてに合格して、警察を選び、現在は某県警察本部厚生課の警察行政職員として、警察職員の健康管理業務で大活躍されています。
【結果|第一志望に見事合格】
塾長!
受験ではお世話なりました
合格できて嬉しいです
Sさんが書いた「性格」欄
Sさんのご了解をいただきましたので、Sさんが書いた「性格」欄を一緒に見ていきましょう。
「私の強みは向上心があることです。(16文字)
その強みが最も生かされたのは、デパートでの販売員のアルバイトです。アルバイトを始めて1か月で、業務は基本1人で担当することになりました。初めは、分からないことがあると対応に時間がかかってしまい怒られたことも何度もありました。そのため、まずは売り場の違うスタッフと積極的にコミュニケーションをとり情報共有に努めました。ほかの売り場のスタッフが忙しいときにはレジ打ちを行うなど、自分ができることを積極的に手伝いました。もう今では、一通り、3つの売り場の業務を行うこともできます。ほかの売り場の商品の知識を得たことで、よりお客様のニーズに合わせたサービスを提供できるようになり、売上向上につなげることができました。(305文字)
このように向上心があることはどんな職場でも生かせると感じています。(33文字)」
【354文字】
これは、Sさんが警試塾に初めて来られた時に提出した自己PR欄です。
結論を言うと、かなり不十分です。現状では、不合格圏内におられます。
どこがダメか分かりますか?
今回は、その内容を検討し、自己PR欄で押さえるべきポイントを一緒に見ていきます。
記事の最後には、模範答案を掲載しています。
今回も一緒に学んでいきましょう。
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Sさんの「自己PR」欄の添削
【いきなり減点】
バランスを欠いた文字数構成
最初に、まず目につくのが文章の構成です。
Sさんは「三部構成」で書いています。
しかしその文字数の構成はどうでしょうか。
となっています。
明らかにエピソード部が長すぎです。
エピソードをたくさん書きたい…と思う気持ちはわかります。
しかし、「エピソードは簡潔に書く」が面接カードの基本です。
エピソード長すぎる
読むのが面倒くさいぞ
しかも
エピソードと説明が
全然合ってない!
「読んでもらう」気持ちがないと
ダメだ
次に、各段落ごとに内容を見ていきます。
Sさんの第1段落
自分の長所は「2~3個」は必ず書け
あらためて、Sさんの第1段落です。
「私の強みは向上心があることです。」
(16文字)
Sさんは、自己PRとして、自分の強みを1つだけ挙げ、「向上心」としています。
ここでポイントになるのが、取り上げた強みの「数」です。
結論を言うと、1つだけではもったいないです。
自分の良さは1つだけではないですよね。
性格も、1つだけということはないはずです。
自己PR欄では、自分の長所や強みは2~3個は取り上げてください。
テクニック的にも、1つのことに絞ると、ダラダラと説明が長くなったり、その1つにリスクが集中したりします。
一方で、長所を2~3個取り上げることで、リスクを分散することができます。
また、1つ1つの説明を簡潔にまとめることができます。
結果的に、複数書くことで、面接官にとっても読みやすい文章になることが多いです。
【重要】
「警察官に必要な資質」と一致させろ
ここは、自己PR欄で一番重要なところです。
他のところは忘れてもいいので、ここだけは絶対に押さえておいてほしいところにきています。
自己PRを書け…と言われて、多くの受験生は「自分の長所」を書きます。
それは当然ですよね。
自己PRなのですから、自分のことを書くのです。
しかし、それがそもそもの大間違いです。
書くべきなのは、自分の長所ではなく、「警察官(職員)に必要な資質」です。
そもそも、面接カードは警察の採用試験です。
警察が求めていない資質をいくら書いたところで、アピールにはなりませんし、書くだけかえって有害です。
「面接官は分かってくれるはず」
思い込みはいますぐ捨てろ!
受験生の自己PR欄や長所/短所欄を添削していると、しばしば
- 「面接官はきっと分かってくれるはず」
- 「自分の良さは伝わるはず」
と信じて書いているのでは?と思うことがあります。
「分かってくれるはず」
「伝わるはず」
…まったくの勘違いです。
まったくの思い込みです。
面接カードは、警察の採用試験です。
面接試験は、カウンセリングではありません。
ただ書けばいい、というものではありません。
面接は、あなたに「警察の適性があるかどうか」を審査してもらう場所です。
自分のことは二の次です。
まずは、自分を警察に合わせることが先です。
言えば、制服を「着る」のではなく、
制服がどんなに小さくても大きくても、制服に自分の体を無理やり合わせるのです。
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面接は、私が君を「審査」する場
君が「警察の基準」に合わせてきなさい
情報量が多すぎる第2段落
面接官は好意的には見てくれない
次に、第2段落です。
第1段落で書いた「向上心」を、具体例を出して説明しているパートです。
では、その「向上心」は、読者である面接官にはどのように伝わっているでしょうか?
「その強みが最も生かされたのは、デパートでの販売員のアルバイトです。
アルバイトを始めて1か月で、業務は基本1人で担当することになりました。初めは、分からないことがあると対応に時間がかかってしまい怒られたことも何度もありました。
そのため、まずは売り場の違うスタッフと積極的にコミュニケーションをとり情報共有に努めました。ほかの売り場のスタッフが忙しいときにはレジ打ちを行うなど、自分ができることを積極的に手伝いました。
もう今では、一通り、3つの売り場の業務を行うこともできます。ほかの売り場の商品の知識を得たことで、よりお客様のニーズに合わせたサービスを提供できるようになり、売上向上につなげることができました。(305文字)
率直に言って、Sさんがアピールしたかった「向上心」がどのようなものか分かりにくいです。
読み手の側が、努力して好意的に読んであげると、
- 叱られたが諦めなかった(忍耐力)
- 改善点はないか模索(創意工夫力)
- コミュニケーションを取った
(コミュ力) - 積極的に手伝い改善につなげた
(協調性・柔軟性) - 顧客満足度高いサービス提供
(パフォーマンス力) - 売上の向上(目的意識の明確さ)
こんなところでしょうか。
こう見ると、Sさんのたくさんの良いところが見えてきます。
しかし、です。
これは、私がいま時間をかけて、かなり丁寧に、かなり好意的に「見てあげた」からわかった特徴です。
この「努力」を面接官がしてくれるかというと、それは違います!
面接官は、あなただけ特別に好意的に読んでくれるなどということは絶対にありません!
Sさんには、良いところがあることが分かりました。
警察にふさわしい資質が十分にあることが分かりました。
あとは、Sさんの書き方次第です。
面接官に「読みやすい」「Sさんの長所がよく分かる!」
…そう思ってもらえる書き方にすれば、より良い面接カードに仕上がっていくことになります。
「読みやすい!」
「Sさんの長所がよくわかる!」
そう思える文書を書いてきて!
では、面接官に伝わる文章にするためには、どうすればいいのでしょうか?
エピソードは
「警察が求めるもの」から逆算して書く
エピソードは「戦略的」に書くことが大切です。
自分の過去の経験を引っ張り出してきて、「面接官は分かってくれるだろう」とばかりに、安易に書き始めて良いようなものではありません。
大事なことなので、繰り返して何度でも書きますが、
書こうとしているエピソードが「警察が求めるもの」に一致していることが、まず何より大切です。
「警察が求めるもの」に一致していることが、面接カードのすべての項目を記載するときの出発点になります。
そこから「逆算」して、エピソードを書いていくことが大切です。
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最終段落は「抱負」を伝えて締める
最後に第3段落です。
最後の「締め」は、あんがい読み手の記憶に残る部分でます。
意外に大事な部分です。
Sさんは、最後をどのように締めているでしょうか?
「このように向上心があることはどんな職場でも生かせると感じています。 」
しっくりこない印象のまとめ方
Sさんは最後、「向上心…はどのような職場でも生かせる」とまとめています。
あまり良いまとめ方ではないです。
- Sさんの向上心の定義が分かりにくい
- その向上心が警察の仕事にどうつながるのか
- 警察の仕事を理解しているのかはっきりしない
第2段落の失敗が、まとめにまで影響しています。
結論を言うと、最後の部分は、ストレートに「警察行政職員の抱負」を書くと良いです。
自分の熱意も伝え、引き締まった文末にすることができます。
そもそも、「自己PR」とは「自分が伝えたいこと」です。
「自分が伝えたいこと」とは、「警察行政職員になりたい!」ことですから、ストレートにそれを書きましょう。
【自己PR欄】とは
①「警察が求める資質」
を書いたうえで
②「警察行政職員になったら」
で締める
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添削結果と講評
最後に好評です。
Sさんの書いた「自己PR」欄について、良い点と不十分な点を整理します。
評価できる点
- 「向上心」は「警察が求める資質」に概ね一致
改善が必要な点
- 長所が1つしかない
- 「求められる資質」「警察研究」が不十分
- エピソードが長く読みにくい
- 最後のまとめ方がもったいない
評価点 50点
(合格レベルは60点以上)
50点と少し厳しい評価となりました。
現在の記載内容では、合格圏内には到達していません。
ただ、「向上心」が「警察が求める資質」に一致していたのは良かったです。
後は、書き方です。
書き方次第で、Sさんの良いところがストレートに面接官に届くようになると思います。
自分を客観的に振り返るのは難しいですね
「警察が求める資質」から逆算するのがコツ
足りないところ補えばすぐ合格圏に入れるよ
読み手の面接官のことを考えてなかったです
模範答案は、どう書いたら良いですか?
模範答案
Sさんのものを基に模範解答
最後に、Sさんの答案をもとに、模範答案です。
ポイントも一緒に押さえましょう。
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私の長所は、何事にも前向きで、向上心、チームワーク力、忍耐力があるところです。また、根性だけは誰にも負けません。
↑【ポイント①】
長所は複数チョイスしよう
↑【ポイント②】
長所は「警察が求める資質」であること
例えば、私は百貨店で販売のアルバイトをしています。最初は戦力になれず苦しい時期がありましたが、一流の販売員になりたいと途中で決して諦めず、向上心を持って努力を続けました。チームワークを大切にする職場でしたので、先輩や同僚から助けをいただきながら、私もチームのために努力しました。今では3つの売り場のユニットリーダーを任されるようになりました。上司から「前向きで頑張り屋だね」と褒めて頂いたときはとても嬉しかったです。
↑【ポイント③】
必ず「調書」を説明するエピソードに!
常に「警察が求める資質」かどうか考える
私は、これら自分の長所を生かして、警察行政職員として、生まれ故郷である○○県と○○県民のために貢献していきたいです。
↑【ポイント④】
「警察行政職員として」で文末を締める
(250文字)
面接カードを短期間で上達させる
「丸暗記学習法」
試験まで時間はあまり残されていません。
面接カードはスピード感をもって、早期に仕上げていかなければなりません。
面接カードの内容を短期間に上達させる一番の方法は「模範答案の丸暗記」です。
我流で書いていては、いつまで経っても良い内容には仕上がりません。
採用試験の本当のプロ、警察人事が書いた模範答案を暗記しましょう。
そして、使えるところはそのままドンドン使ってください。
塾長の模範答案
そのままもらってもいいですか?
もちろん大丈夫ですよ
Sさんのためにお作りしたものです
良い面接カードが合格の出発地点
面接カード「他の項目」の
模範答案も丸暗記しよう(志望動機他)
警試塾では、面接カードの他の項目についても、添削記事を掲載しています。
志望動機や最近関心を持ったニュース等です。
合わせて、模範答案を覚えてしまうチャンスです。
ぜひ他の記事もご覧ください。
【あわせて読みたい警試塾の記事】
面接カードは事前に準備できる
もっとも効果的な「面接対策」だ
面接カードはあらかじめ準備できる
面接カードは、面接試験で一番重要な書類なのに、実は「事前に」準備ができるものなのです。
ここは、結構大事なところです。
一番重要なのに、あらかじめ、試験を受ける前に準備ができるものなのです。
面接カードのこの特性を、ぜひ覚えておいてほしいです。
長年、採用試験を担当してきた元警察人事がはっきり断言します。
面接カードがしっかり書ければ、それだけで合格できます。
私の経験上、面接カードが良くて落ちた人を、見たことがありません。
しっかり面接カードを書いてください!
それだけで、ほぼ合格します。
では、「良い面接カード」とはどういうものをいうのでしょうか?
どんな面接カードを書ければ、合格できるのでしょうか?
次に、合格する受験生の面接カードの特徴をご紹介します。
合格者の面接カードの特徴
これは、私が実際に指導に当たり、合格してきた受験生が書いた面接カードの特徴です。
実際に合格者が書いている面接カードの特徴を列記していきます。
1つ目の特徴は、「警察の研究(仕事の理解)」が進んでいることです。
2つ目は、警察研究以前のものです。
私はそれを「普通力」と言っています。
抽象的な言葉が並びましたが、合格者の面接カードは、警察の仕事のことをよく理解しているのが分かります。
読んでいる面接官からすると、その差は一目瞭然です。
あなたにお願いしたいのは、良い面接カードを書くために努力をしてほしいということです。
良い面接カードは、合格に直結します。
試験の前に、十分に準備する時間が与えられていますので、とにかく「面接カード・ファースト」で、受験戦略を立ててください。
いますぐに、面接カードに取り掛かります!
良い面接カードを書くことは、合格のための必須科目ですので!
【7年連続80%超の実績と信頼】
警試塾の「標準テキスト」が手に入る↓
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面接カードに早く取り掛かろう!
良い面接カードを書くことに全集中しよう!
あなたに贈るエール
警試塾は、頑張るあなたを全力で応援しています。
警試塾に来られて、いまこれを読んでくださっているあなたを本当に応援してあげたいです。
採用試験は、楽ではありません。
あなたも、これまで苦労されてこられたと思います。
だからこそ、あなたには「無駄な努力」をしてほしくないです。
どうせ苦労し、努力するなら「価値ある努力」をしてほしいです。
「価値ある努力」をあなたもできます!
受験は要領です。
ラクに、効率的な方法があるのです。
それは、採用試験を知る元警察人事だから分かることです。
合格というゴールから、内が必要なのか「逆算」できるからです。
これから警試塾でもっと学びませんか?
光の道を歩み、光あるゴールテープを、あなたと一緒に切りたいです。
ご縁がありましたら、ぜひ警試塾にお越しください。
なかなか合格できないあなたをこそ、助ける塾ですので。
あなたを最後の最後まで応援しています!
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
(完)
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