論文作文添削塾へようこそ(ページの最後に必見「模範解答」を掲載)
論文の添削をしてほしいんです。
でも誰に見てもらえばいいか分からなくて。
学校で見てもらってますがこの答案で本当に大丈夫か不安。
警察の専門の人に答案を添削してほしいです。
作文試験に苦手意識があります。
どこからやったらいいか分かんないんです。
安心してください。
警察人事歴7年の私が添削・ご指導します。
警試塾「論作文添削塾」へようこそ!
- 「論文の答案は誰に見てもらえばいいの?」
- 「学校の先生に答案を見てもらっているけど…」
- 「警察のことを知らない先生だから本当にこれで大丈夫か不安」
- 「答案はいつも行き当たりばったりで書いてる…これじゃダメってわかってるけど」
あなたはこのようなことで悩んでいませんか。
論作文試験に苦手意識を持っている人は多いです。私が教室でご指導している受験生も私のところに来られるまでは、みんな苦手意識を持って「全然書けない」と頭を抱えていることが多いです。
でも大丈夫です。実は論作文試験は誰でも得意科目にすることができるんです。なぜなら、書き方に公式があるからです。その公式を覚えてしまえば、あとはその公式通りに書けばよいからです。
私は、某警察本部で7年間人事課に在籍しました。また人事課を離れた後も警察本部から「シニア・リクルートリーダー」の指定を受け、長年にわたり数多くの受験生を合格に導いてきました。現在も、某大手公務員予備校や大学などで指導を続ける警察試験専門の指導員です。
今回の【論作文添削塾】では、警察官志望Yさんが実際に書いた答案を添削していきます。テーマは「最近関心のあるニュースについて」です。
警察の論作文答案は「警察独特」です。他の公務員の論作文とは書く内容が違います。それは、警察の仕事を理解していたり警察官に必要な資質が分かっていないと書けないものです。だから、学校の先生に警察の答案指導は難しいのです。
今回の記事を読むと、論作文試験で頻出の「最近のニュース」答案の書き方が分かります。また、警察の試験で合格答案を書くために必要なポイントが理解できます。
なお、【論作文添削塾】では番外編として【基礎講座】を別に解説しています。本記事は論文の添削に特化したページですが、超初心者でも分かる警察答案の書き方を解説しています。こちらのページもご覧になられることを強くお勧めいたします。
【答案作成基礎講座】警察試験「合格答案の書き方」論作文は暗記科目! ←おススメ記事
警察の論作文試験は「警察独特」です。
合格答案には「警察の仕事の理解」書込みがどうしても必要。
警試塾はあなたの警察試験合格を全力応援するサイトです。
このページの最後には模範解答例を添付しています。
本題に入る前に、先に記事の概要です。
- 警察官志望Yさんの答案
- 「最近のニュース」が警察の試験で頻出する理由
- 評価の高くなる「ニューストピックス」の選び方
- 知らないと不合格も!論作文試験の「NG」行為とは
- 警察試験で使える「万能のキーワード」とは
- 模範答案を公開
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警察官志望Yさんの答案
生活安全課志望のYさん
Yさんは、当時大学4年生で女性の方です。大学の就職支援課から「指導をお願いをしたい」と依頼を受け、私のところに来られました。一見して明るい性格の方と分かりました。それもそのはずで、中学高校とソフトボール部に所属し、高校時代はキャッチャーを務めたと話しておられました。この年、見事第一志望の県警(大規模県警)に合格し、現在は交番勤務をされています。志望は生活安全課でした。
添削課題文
Yさんが書いた答案の添削課題文は次のとおりです。
「あなたが最近関心を持った事件・事故について書きなさい。
①選んだ事件・事故の概要と、それを選んだ理由
②選んだ事件・事故に対して、警察としてどのように対応していくべきと考えるか」
【700文字程度 60分】
Yさんの書いた答案
Yさんに掲載のご承認を頂きましたので、次に、Yさんが書いた答案を書いたそのまま掲載します。
「近年、児童虐待のニュースをよく耳にする。最近、母親が3歳の娘を1週間以上自宅に放置し餓死させたという痛ましい事件が起きた。
昨年、刑法犯犯罪の認知件数は約60万件で“戦後最少”であった。しかし、児童虐待事件の検挙が過去最多という結果も出ている。これは、コロナウイルスの感染拡大で外出を自粛する人が増え、ひったくりなどの街頭犯罪が大幅に減った半面、外出自粛での親のストレスにより、そのはけ口が家庭内の弱者である子供に向くこと、また、周囲が子供の異変に気付く機会が少なくなり、虐待が潜在化している可能性が考えられるだろう。虐待は家庭内で発生しやすく最もプライベートなところで生じる社会問題である。そのため外部の人間が発見しづらいという難点がある。
警察に求められるものは第三者として公平で中立な立場であり続けることで、必要以上に個人生活に介入することを市民は望まない。そこで、全国各所に設置されている交番や駐在所の警官によるパトロールを強化することを提案する。管内の実態を把握することが改善の第一歩になるのではないか。同時に、地域に親しみ、市民から信頼を得ることができれば、問題の早期発見につながるのではないかと考える。
問題が起こってしまった後の対象法についても考えておく必要がある。親と子供を引き離すことは簡単だが、それで問題が解決されるとは言い難い。親子がどんな問題を抱え、このような事態に至ったのか耳を傾けなければならない。加害者である親を非難するばかりではなく、寄り添い親身になり、相談できる存在、また警察の力だけでは至らない部分は児童相談所や行政サービスなど彼らに合った改善法を提案する、それが警察官のあるべき姿ではないだろうか。」
【712字】
他の人の答案を読む機会はあまりない。
私の教室では「相互読み勉強法」を行っています。
あなたもここで他の受験生の答案を読みましょう。
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「最近のニュース」は警察試験では必出
「最近のニュース」について答えるよう求められることは、警察の試験ではよくあります。例えば、
- 【面接試験】「今朝、新聞を読んできましたか?」の質問
- 【面接カード】「最近関心を持ったニュースについて」欄
- 【論作文試験】今回の設問
などです。
まず、あなたは「最近のニュース」は警察では必ず聞かれる、と思ってください。そして、それについてしっかり準備する必要があると認識してください。
「最近のニュース」って試験で大事ですか?
「最近のニュース」は警察試験では必出なんです。
必出で大事だからこの添削塾で取り上げてるよ。
「志望動機」だけやっておけばいいと思ってました。
志望動機の他にもいろいろ聞かれるんですね。
「最近のニュース」はけっこう差がつく質問。
意外と難しいので「ノー準備」だと厳しいです。
必ず出るんだから準備しておくと断然有利だよね!
「最近のニュース」大事って分かりました!
ご指導お願いします。
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最近のニュースが警察試験で「頻出」する理由
では、なぜ「最近のニュース」が警察では頻出するのでしょうか。その理由を簡単に解説します。ポイントは以下の〇点です。
【理由1】受験生の「情報感度」を知りたい
警察の仕事は社会の動きと切っても切り離せません。社会で起こるすべてのことが治安に直結しているからです。一例をご紹介しましょう。
- コロナで経済活動が制限 → 失業 → 治安悪化
- 他県で劇場型犯罪 → 模倣犯 → 治安悪化
- 他県で児童の列に暴走 → 保護者・学校に不安感 → 小学校警戒対策
- 中国韓国で反日運動 → 反感 → 国内で中国人韓国人を襲撃事件
- 日本のはるか南で台風発生 → 10日後に上陸の可能性 → 大規模災害
例を挙げればキリがありません。このように社会や日本や世界で起こることすべてが警察の仕事に直結しています。日本の警察ではニュースや新聞記事をとても重視しています。
実際にあなたが警察に入ったら、上司から毎日質問されると思いますよ。「今朝、新聞読んできたか?」と。
【理由2】志望動機と絡めて聞きたい
試験官は「最近のニュース」を志望動機を絡めて聞きます。
- 生活安全課を希望なら → 虐待・ストーカーや特殊詐欺のニュース
- 刑事課を希望なら → 発生した刑事事件のニュース
- 交通課を希望なら → 世間を騒がせた事故のニュース
- 警備課を希望なら → 大規模災害や警衛のニュース
などを取り上げることになります。あなたにはまず「関心を持ったニュース」のことを聞いて、その流れで志望動機まで聞くのが一般的になっています。
①受験生の「情報感度」を知りたい
②「志望動機」と絡めて聞きたい
ニュースを見るって警察では大切なことだったんですね。
これなら試験で聞かれるはずですね・・・
ただ漠然とニュースを見るのはもったいないです。
「このニュース、志望動機と関係ないかな?」
受験が終わるまではこう考えられるとGOODです!
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答案添削
それでは、Yさんの答案添削を始めます。
Yさんの答案「第1段落」
Yさんの第1段落は次のようなものでした。
「近年、児童虐待のニュースをよく耳にする。最近、母親が3歳の娘を1週間以上自宅に放置し餓死させたという痛ましい事件が起きた。」
ここでYさんは、直近で発生した児童虐待をテーマに選んでいます。次のように話していました。
「最近、しばしばテレビなどで児童虐待のニュースを耳にします。
そういったニュースを聞くたびに心が痛みます。
私が警察官になったら、生活安全部門に進みたいです。
児童虐待を1件でもなくせるよう頑張りたいです。」
と抱負を語っておられました。その思いでこの児童虐待の話題をチョイスされていました。
ニューストピックスと志望部署は一致させよう
Yさんは生活安全課希望でした。生活安全課と虐待事案は部門が一致しています。希望部署と選んだニューストピックスが「一致」していると一貫性が出て、読み手の採点官は読みやすいです。読んでいて安心感があります。
選ぶニューストピックスは、自分の志望部署と関連付けよう
※ 志望部署と選んだニュースが「一致」していると試験官は読みやすく好印象
また、選んだ事案の書き方にも「3歳の娘」「一週間以上」「放置し餓死」などと具体的なワードが出てきて理解しやすく良いところです。仮に採点官がその事案を知らなくても、何について書こうとしているかが良く理解できるからです。
第1段落
- 志望部署とニューストピックスが一致していること
- 事案を具体的に書いていること
はGOODポイントです。
ありがとうございます。
志望部署とニュースが違うとどうなる?
逆のケースも考えてみましょう。志望部署とニューストピックスが一致していない場合です。
例えば、生活安全課志望の受験生が「飲酒運転を撲滅したいです」とニュースを熱く語ったとします。採点官はどう思うでしょうか。多くの採点官は「一貫性がない」「理解が浅い」と思うでしょう。良い評価にはならないです。
ただ、一致していなくてもよほど強い関連性があれば論に説得力が出てくる場合もあります。しかし、あなたがごく普通の受験生なら、特段の理由がない限り志望部署とニューストピックスは一致させましょう。危険な賭けは避けるのが無難です。
生活安全課志望です。
気になったニュースは「飲酒運転の暴走事故です」
この受験生、生活安全志望じゃなかった?
交通志望なの?
なんか一貫性がないな・・・。
浅い理解だな・・・。
課題文が求めることを書く
第1段落には不十分なところもあります。
課題文には「①選んだ事件・事故の概要と、それを選んだ理由」を書くよう指示がありました。ところが、Yさんの答案には、課題文が求めている理由が書かれていません。第2段落以降にも理由は述べられていませんでした。これはいけません。かなり大きな減点ポイントになっています。
課題文が求めていることに答えよう
※課題文の意図に従わない答案は大減点を覚悟!
課題文の意図に従わないのはNGです。
これは論文で一番やってはいけないこと。
本番なら大きな減点になっていたよ。
まじで…減点ですか…大きな!?
課題文をしっかり読んいなかったんですね。
今練習で気づいて良かったです。
答案から「指示が守れない部下」と思われる。
採点官の採点基準は「部下としてありかなしか」の視点。
警察独自の視点だから次から気を付けて。
「理由を書け」設問への回答エチケット
「理由を書け」と求める設問の場合は「理由は~」「~だから」といった言葉をつけて説明します。そう書くことで、
- 「ここから理由を書いています」と指示できること
- 「課題文の指示にしっかり従っています」と採点官に明示できること
ができます。
「選んだ理由は~だから」「~点が~だから」
と書き、理由を書いている部分を採点官に明示しよう
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第1段落の模範答案
Yさんの第1段落を元に模範答案を作成しました。
「某県で先日、母親が3歳の娘を1週間以上自宅に放置し餓死させる虐待事件が起きた。この事件を取り上げた理由は、子供が犠牲になる痛ましい事件を1件でもなくしたいと思ったからである。家庭の中なら親は虐待も許されるのだろうか。許されないことである。以下、虐待事案への警察の対応策について私の考えを論述する。」
愛知PSです。どうぞ。
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Yさんの答案「第2段落」
次に、第2段落です。
「昨年、刑法犯犯罪の認知件数は約60万件で“戦後最少”であった。しかし、児童虐待事件の検挙が過去最多という結果も出ている。これは、コロナウイルスの感染拡大で外出を自粛する人が増え、ひったくりなどの街頭犯罪が大幅に減った半面、外出自粛での親のストレスにより、そのはけ口が家庭内の弱者である子供に向くこと、また、周囲が子供の異変に気付く機会が少なくなり、虐待が潜在化している可能性が考えられるだろう。虐待は家庭内で発生しやすく最もプライベートなところで生じる社会問題である。そのため外部の人間が発見しづらいという難点がある。」
ここでYさんが何を書いている論の展開を見てみましょう。
- 虐待事案の発生状況
- コロナ禍での虐待事案の増加
- 虐待が増加する理由・背景
- 虐待事案に対応する際の問題点
と書き進めています。
第2段落の良いところ
第2段落には、良いところと要改善なところがあります。先に良いところをお伝えします。それは「刑法犯認知件数が60万件と戦後最少」になったと具体的な数値を入れ込んでいる点です。警察の論作文試験では、具体的な数値が出せると一定の評価につながります。ただし、数値に誤りがあるとかえってマイナスになりますので、覚えるデータは正確な数字で覚えましょう。
なお、警察の試験で、暗記して役に立つ統計データには次のようのものがあります。
【警察受験生なら必ず把握しておきたい3つのデータ(部門問わず全員対象)】
- 刑法犯認知件数
- 特殊詐欺被害件数・被害額
- 交通死者数
この3つは、志望部署の別を問わず警察受験生なら必ず知っておいてほしいデータです。各都道府県警のHPには、この3つは掲載されていますので、あなたが受験する都道府県の発生件数は必ず確認してから受験するようにしてください。
なお、部門ごとのさらに細かい統計データもあります。例えば、生活安全志望なら虐待の発生件数や、交通志望なら飲酒運転の検挙数などです。具体的な統計データの数値を論文に入れられるとその努力に応じて評価も上がりますから、志望する部署に応じてデータを調べるようにしましょう。
具体的な統計データを入れられたところはGOODポイント。
できれば取り上げた「虐待の検挙件数」も数値で出せるとよかったかな。
ありがとうございます。
すぐに受験する県警の虐待検挙数を調べます。
やるべきことが分かるとモチベーション上がりますね。
第2段落の改善が必要な点
ここからは少し厳しい評価になります。
基本的にこの第2段落は何が書きたいのでしょうか。課題文では、
- 「ニューストピックスの取り上げ」
- 「選んだ理由」
- 「それに対する警察の対応」
の3つが求められていました。これのどこに当てはまるでしょうか?…そうです。どこにも当てはまらないです。私が第2段落を読んだ率直な印象として「この第2段落は何のために書いた?」でした。課題文のどこに応えているのかが不明な文章なのです。
少し厳しい言い方なのですが、重要なことをお伝えします。課題文から逸脱したことを書くと不合格答案になる、ということです。これは上記の「理由が書かれていない」でもお話したことですが、求められたことを書かないと「不適当な答案」と評価される可能性があります。まずは「課題文が求めていることを書く」という意識をしっかり持ちましょう。
第2段落は課題文に応えた内容になっていないよ。
課題文が求めていた「理由」とか「対策」について書くべきでした。
いま読み返すと「苦し紛れ」に字数だけ書こうとしていたかもです。
しかも、次の第3段落にもつながってないですよね・・・
答案を書き始める前に論文構成を考えると失敗が防げる。
「答案の書き方」記事を見てみて!
「私は虐待事案への警察の対応は、未然防止と有事の的確な対応の2つが大切だと考える。」
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Yさんの答案「第3段落」
第3段落に進みます。
課題文には「②選んだ事件・事故に対して、警察としてどのように対応していくべきと考えるか」を書くよう指示がありました。Yさんはここから、警察は虐待事案に対してどう対応していくべきかについて書き進めています。第3段落では「未然防止に力を入れるべき」が述べられているようです。(なお、第4段落では「発生後の対処法」について書かれている。)
ここでは分かりやすいように、Yさんの第3段落を論構造に分けて整理してみます。
Ⓐ警察に求められるものは第三者として公平で中立な立場であり続けることで、必要以上に個人生活に介入することを市民は望まない。
Ⓑそこで、全国各所に設置されている交番や駐在所の警官によるパトロールを強化することを提案する。
Ⓒ↓
- 管内の実態を把握することが改善の第一歩になるのではないか。
- 同時に、地域に親しみ、市民から信頼を得ることができれば、問題の早期発見につながるのではないかと考える。
※以下に解説しているところを太字にしています。
Ⓐの部分
前半の「警察に求められるものは第三者として公平で中立な立場であり続けることで」ここは良いと思います。警察のことを理解していると思います。ただ、あえて書かなくてもいい内容です。
また、後半の「必要以上に個人生活に介入することを市民は望まない。」も、やや内容に物足りなさを感じます。
Ⓑの部分
警察のとるべき対応として、Yさんは「そこで、全国各所に設置されている交番や駐在所の警官によるパトロールを強化することを提案する。」と書いています。
ここで一番気になるてんがあります。「パトロール」という部分です。パトカーや自転車のパトロールで家庭内の虐待は見抜けるでしょうか。少し無理があります。パトロールではなく「巡回連絡」と書く方が良いと思います。
巡回連絡をご存じでしょうか。主に地域警察官が行う通常業務であり大きな武器です。今回であれば、警察官の巡回連絡によれば虐待家庭に風穴を開けることができるかもしれません。
この「巡回連絡」は警察試験のキーワードです。面接でも論文でも面接カードでもどこでも使えるマルチで便利な警察用語です。めっちゃ使えるワードなので、まだ知らない人は今この場で覚えてしまいましょう。
「巡回連絡」:管内住民を玄関まで訪ねて、直接お話を聞く
「パトロール」:パトカーに乗って警戒に当たり、職務質問をする
ですので、ここでは「巡回連絡」の方が適当な表現です。
「パトロール」より「巡回連絡」の方が私が目指す警察官像に近いです。
「巡回連絡」は警察の試験では万能のキーワード。
パトロールじゃなくて巡回連絡をぜひ覚えて!
Ⓒの部分
Ⓒの部分でYさんは、パトロールを強化することのメリットを2つ書いています。
- 管内の実態把握ができること
- 早期発見ができること
の2つです。繰り返しになりますが、この2つはいずれもパトロールではできません。巡回連絡をすることで可能になることです。ただ、仮にYさんの答案の「パトロール」を「巡回連絡」に書き換えたとしても、虐待の未然防止には物足りません。
そこで、Yさんの書いたものを次のように書き換えてみてはどうでしょうか。
「未然防止策として次の3つを挙げたい。1つ目は、警察官による巡回連絡の強化である。子供がいる世帯を訪問した際には『虐待はないか』との観点で話をしたい。可能なら子供とも直接面談したい。警察官の力で虐待家庭に風穴を開けたい。
2つ目は、地域住民への働き掛けである。子供をよく知る民生委員や児童委員、見守り隊といった地域住民と普段から親しく接して信頼関係を築き、情報提供や協働活動を依頼したい。子供を守るため地域の人的資源を活用したい。
3つ目は、部署を横断した部内の迅速な連携である。地域警察や刑事、交通など虐待事案は何がきっかけで発覚するかわからない。平時から部署を超えて連携の確認を行いたい。」
改善すべき細かい点
なお、細かい言葉の使い方ですが、「警官」という使い方はダメです。正しく「警察官」と書きましょう。「警官」という言葉は、警察内部では「悪いことをしてクビになった警察官」のことを指す隠語です。採点官も「警官」という呼ばれ方は好みません。美しく「警察官」と書きましょう。
「警察官」と書こう!
「警官」は、不祥事や犯罪を起こしてクビになった警察官を指す隠語(試験で使用はNG)
「警官」って言わないんですね。
すこし侮辱的な言い方なんです。
次からは「警察官」と書きましょうね。
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Yさんの答案「第4段落」
最後に第4段落です。第4段落も構造に分解して見てみましょう。第4段落では、警察が行うべき対処法の後編で、主に未然に防ぐことができず、不幸にも発生してしまった場合の措置について書かれているようです。
Ⓐ「問題が起こってしまった後の対処法についても考えておく必要がある。
Ⓑ(Ⓐの具体的な対策)↓
- 親と子供を引き離すことは簡単だが、それで問題が解決されるとは言い難い。
- 親子がどんな問題を抱え、このような事態に至ったのか耳を傾けなければならない。
- 加害者である親を非難するばかりではなく、寄り添い親身になり、相談できる存在
- また警察の力だけでは至らない部分は児童相談所や行政サービスなど彼らに合った改善法
を提案する。
Ⓒそれが警察官のあるべき姿ではないだろうか。」
未然防止ができず発生してしまった場合の警察の対応として、4つの具体的対応が書かれています。
虐待が発生した場合の警察の対応については、以下のポイントを押さえられると良いです。
- 児童虐待防止法
- 虐待の4種別
- 児童相談所の役割と「通告」
- 児童相談所との素早く的確な連携
- 虐待親への対応と被虐待児の一時保護
- 親子の再統合への配慮
などです。
一つひとつについて解説したいところですが、詳細な解説は割愛します。実際、採用試験の論文ではそれほど深いことを知る必要もありませんし、限界まで書く必要もありません。ここでは「こんなこともするんだ」くらいで十分だからです。
ここでは、Yさんが書いた答案を次のように書き換えられます。
「一方で、虐待事案が発生した有事の時の的確・迅速な対応も重要である。児童虐待防止法に基づき、児童相談所と速やかに協働して、相談や臨検・通告に当たることが重要である。さらに、被虐待児の保護や虐待親への対応は優先度が高い。虐待は子供の命に直結する事案であるから、一刻も早い対応が必要で、警察として高い緊張感を保持して臨みたい。」
ここでは、虐待の性質や法律の理解、児童相談所との協働などについて簡単に触れられれば十分合格点です。
Yさんの論文に足りない「結論」部
警試塾では「論作文試験は暗記科目」のコンセプトのもと、論作文は三部構成で書くことをお勧めしています。三部構成は、誰でも簡単に書ける最も書きやすいパターンです。三部構成とは「序論・本論・結論」です。
論作文の答案を書くときには、最後に結論を書くといいです。結論を書くときには、
- 論文全体のまとめ
- 警察官になった時の抱負
を書くことをお勧めしています。
答案を書く前に「三部構成」意識してましたか?
行き当たりばったりで書いていました。
そこが失敗の原因ですか?
みんな「行き当たりばったり」で失敗します。
失敗の典型パターンです。。。
良い論文が書けるわけないですよね…
どう対策したら良いですか?
「論文試験は暗記科目」!
知ってましたか?
論文って暗記科目なんですか?
もしそうなら…楽そうでいいですけど。
でも暗記で論文書けるんですか?
暗記ポイントは↓
- 三部構成で「いつものパターン」を暗記
- 勝負フレーズを20個暗記
の2つ。これは私のキャリアの集大成の結論です。
ぜひ一度学んでみたいです。
最後に、Yさんの答案にはなかった「結論」部を、第4段落のあとに付け加えてみます。ここでは、本論の虐待のことに触れつつも、「警察官になったらこんなことがしたい」と抱負を簡潔に書き添えるところです。
「このように、虐待事案は未然防止と有時の的確な対応が重要である。私は警察官になったら生活安全部を志望している。子供の生命と安全を守れる警察官になりたいと思っている。」
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講評
Yさんの論文講評
最後にYさんが書いた論文の良い点と不十分な点をまとめたいと思います。
評価できる点
- 「生活安全を志望します」と志望部署が明確 ←【VeryGood!】
- 取り上げたニューストピックスは「虐待」。志望部署とカテゴリーが一致している ←【VeryGood!】
- 「刑法犯認知件数 60万件」具体的な統計データ
改善が必要な点
- 課題文が求める「理由」について書かれていない ←【致命的】
- 課題文が求めていない内容記載に1段落を費やし本題の対策部の字数を圧迫
- 警察や生活安全の業務についてやや理解不足
評点 ・50点(合格レベルは60点以上)
50点とかなり厳しい評価となりました。現在の記載内容では合格圏内到達していないです。
ただこの段階で、志望部署が明確な点や警察への意欲が高い点はとても好ましく、評価できます
今後の勉強方針
あなたは、論文試験対策進んでいますか?
- 「まだ、勉強全然進んでない」
- 「どうやって勉強したらいいか分からない」
そんな人も多いかもしれません。論文試験は意外とどこから手を付けてよいか分からないことが多いです。特にそれが警察の試験となるとなおさらです。
でも、大丈夫です。まだ勉強は始まったばかりです。今後、正しい最短のルートで学んでいければすぐにでもライバルに追いつき、逆転できます!
実際に、Yさんが私のところに始めてきて書いた論文は「50点」の評価でした。合格答案ではなかったです。でも「論文試験は暗記科目」を素直に受け入れ学ばれた結果、ほんの1か月ほどで合格答案が書けるようになりました。ここでは紹介はしませんが、1か月にYさんが書いた答案は本当に素晴らしい内容でした。
あなたも、そのような奇跡をおこすことが必ずできます!今日が本当の勉強のスタート日と思って、ここから一緒に頑張っていきましょう。
あなたがもし、まだ論作文の勉強が軌道に乗っていないなら、今後優先して取り組む勉強は次の3つになります。
- 答案の基本的な書き方について1日も早く学ぶ
- 志望部署をなるべく早く決める
- 書き方と志望部署が分かったら、1か月集中して答案練習を繰り返す
この3つから取り始めてください。
論文試験、私でも間に合うでしょうか!?
大丈夫ですよ!安心してください。
受験は要領!
あなたも絶対に良い答案が書けるようになりますよ!
私も頑張りますのでよろしくお願いします。
模範答案
本記事の最後に模範答案です。
「某県で先日、母親が3歳の娘を1週間以上自宅に放置し餓死させる虐待事件が起きた。この事件を取り上げた理由は、子供が犠牲になる痛ましい事件を1件でもなくしたいと思ったからである。家庭の中なら親は虐待も許されるのだろうか。許されないことである。以下、虐待事案への警察の対応策について私の考えを論述する。
↑【ポイント】課題で求められた「理由」を必ず書こう。…三部構成の「序論」部
私は虐待事案への警察の対応は、未然防止と有事の的確な対応の2つが大切だと考える。
未然防止策として次の3つを挙げたい。1つ目は、警察官による巡回連絡の強化である。子供がいる世帯を訪問した際には『虐待はないか』との観点で話をしたい。可能なら子供とも直接面談したい。警察官の力で虐待家庭に風穴を開けたい。
2つ目は、地域住民への働き掛けである。子供をよく知る民生委員や児童委員、見守り隊といった地域住民と普段から親しく接して信頼関係を築き、情報提供や協働活動を依頼したい。子供を守るため地域の人的資源を活用したい。
3つ目は、部署を横断した部内の迅速な連携である。地域警察や刑事、交通など虐待事案は何がきっかけで発覚するかわからない。平時から部署を超えて連携の確認を行いたい。
↑【ポイント】警察の対策1つ目として「未然防止策」…三部構成の「本論(前半)」部
一方で、虐待事案が発生した有事の時の的確・迅速な対応も重要である。児童虐待防止法に基づき、児童相談所と速やかに協働して、相談や臨検・通告に当たることが重要である。さらに、被虐待児の保護や虐待親への対応は優先度が高い。虐待は子供の命に直結する事案であるから、一刻も早い対応が必要で、警察として高い緊張感を保持して臨みたい。
↑【ポイント】 警察の対策2つ目として「有事の対応策」…三部構成の「本論(後半)」部
このように、虐待事案は未然防止と有時の的確な対応が重要である。私は警察官になったら生活安全部を志望している。子供の生命と安全を守れる警察官になりたいと思っている。」
↑【ポイント】「警察官になったら」抱負を書いて締める…三部構成の「結論」部
【693文字】
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さらにショートカットして勉強したい人のために
もしかすると
- 「もっとショートカットしたい」
という人もいるかもしれません。また、
- 「ゼロから勉強するのはつらい」
- 「どこから勉強始めたらいいかわからない」
- 「論作文に苦手意識があって後回しにしてきた」
という人もいるかもしれません。
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【警察官面接】最近のニュース2本と面接対策の重要ポイント(2022.4.1)
【警察面接】最近の時事ニュースと面接対策ポイント(2022.4.15警視庁研究)
【重要】論文課題「理想の警察官像」模範解答例掲載!パンフを活用した「論作文」「面接カード」新学習法を詳細解説! ←おススメ記事
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以上で、今回の添削は終了します。
最後までご覧いただき誠にありがとうございました。
警察官に絶対に合格するため、また次のページで元気にお会いしましょう。
(完)
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